新規事業ニュース

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【アマダ】切削機械拡大でM&Aへ/超硬化強化、新素材に参入

新規事業:新素材加工事業

産業新聞社(2017/9/6)

アマダホールディングス(神奈川県伊勢原市、磯部任社長)とアマダグループの切削、プレス、工作機械の販売・サービスを手掛けるアマダマシンツール(神奈川県伊勢原市、田所雅彦社長)は5日、売上高を320億円から450億円への拡大を目指す現在推進中の切削機械事業の中期経営計画達成に向け、超硬ブレード生産能力拡大する投資を実行、新素材加工市場への参入を狙いM&Aを実施することを決めたと発表した。欧州のブレ―ド工場に約30億円を投下、生産能力を高め、需要を捕捉する体制を整える。一方、三和ダイヤ工販を完全子会社化し、成長性の高い新素材対応による非金属加工市場へ展開を広げていく

切削機械事業では金属切断の高速化や難削材切断に応じるマシン、ブレード両面で超硬対応を強化する中、超硬ブレードで航空宇宙産業など難削材加工の増加や、大型の鋼材を速く精密に切断するニーズが欧米を中心に高まっており、超硬ブレードの生産体制を強化。欧州のブレード工場を中心に総額30億円規模の投資計画を順次実施する。

新素材加工市場参入については、アマダホールディングスは、三和ダイヤ工販(松田雄策社長)の発行済み株式100%(1000株)を取得し、10月1日付でアマダマシンツールの完全子会社とすることを決めた。同日付で、商号を「アマダサンワダイヤ」に変更する。完全子会社化により成長著しい新素材市場の開拓に必要なダイヤモンドブレード・バンドソーマシンの開発、製造体制を内製化。アマダマシンツールのグローバルに展開する販売・サービス体制と密接に協業し、新素材市場の需要を開拓する。

アマダマシンツールでは超硬化への対応を強化し、新素材切断加工市場へ参入、切断で顧客ニーズに対応できる体制を確立する。

三和ダイヤ工販はファインセラミックス石英ガラス、特殊カーボンなど新素材加工の精密切断工程に強みを持ち、ダイヤモンドブレード・バンドソーマシンともに製造する独自技術を保有する唯一の企業で、これを踏まえ、アマダマシンツールは金属加工領域でのビジネスノウハウを基軸に、現状のビジネス領域を広げた非金属市場での事業拡大を目指す体制づくりを進める。三和ダイヤ工販が保有する新素材加工技術を起点に新素材市場への早期参入を図る。

新素材切断加工技術の取得で電子部品、半導体、光学業界への展開が可能となるほか、ダイヤモンド・バンドソーの開発、製造、販売、メンテナンス体制を構築。新素材対応ブレードの導入によるトータル商品ラインナップを整備できる。

三和ダイヤ工販は資本金5000万円、設立が91年1月で、本社を大阪市中央区南船場に置く。ダイヤモンドブレード、バンドソーマシン、ダイヤモンド・cBNといし、ドレッサーなどの製造販売と硬質、脆性材料の加工事業を手掛ける。従業員は54人で、売上高は7億100万円(16年9月期)に上る。