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【ダイエー】和牛繁殖 一貫経営へ移行

新規事業:和牛の繁殖事業

日本農業新聞(2017/9/20)

ダイエーが19日、大手小売りでは初となる和牛の繁殖事業への参入を発表した。今月から、肥育を手掛けるグループ会社の鹿児島サンライズファーム(鹿児島県鹿屋市)が繁殖からの一貫経営に移行し、自社ブランド和牛「さつま姫牛」の扱いを2020年までに2割拡大する。和牛子牛の品薄高に対応し、牛肉の低価格販売を狙う

「さつま姫牛」は未経産雌牛で肉質等級は3等級以上。全農家が共通のプログラムで管理する。鹿児島サンライズファームは直営農場を3カ所、預託農場を21カ所保有し、これまで肥育だけを行っていた。既に一部農場に、和牛と交雑種(F1)の繁殖雌牛を計140頭導入し、種付けや受精卵移植を行っている。出荷は2年半後の見込み。

現在、肥育もと牛は九州地方の家畜市場から仕入れているが、「相場高や頭数不足で牛の確保が難しい」と高山茂徳社長は話す。仕入れ頭数は年間約3000頭。繁殖事業への参入で、20年までに500頭ほどを自社で賄えるようにして、肥育頭数を現在より2割多い5500頭へ拡大する。

ダイエーの近澤靖英社長は「世界に通用する安全・安心な肉用牛の生産を拡大する」と強調した。同社は生産から加工、販売の一貫した供給体制作りを進めている。