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【旭化成】水素事業に本格参入 ドイツで年度内受注目指す

新規事業:水素プラント事業

日本工業新聞(2017/9/14)

旭化成水素プラント事業に本格参入する。風力発電太陽光発電の余剰電力を使って、アルカリ水から水素を生成し、製造時に二酸化炭素(CO2)が発生しない「グリーン水素」として売り込む。独自の膜技術を活用し、水素に変換するエネルギー効率は世界最高水準になる。今年度中にドイツでの受注を目指す。

同社の水素生成技術は、リチウムイオン電池などの主要部材である絶縁膜の「セパレーター」を活用する。電気分解の際の電気抵抗が少なく、商用では世界最高のエネルギー効率を達成しているという。

生成した水素は、そのまま、各種の生産拠点や水素発電施設、燃料電池自動車向けの水素ステーションに供給する。また、水素とCO2を反応させ、メタノールに変換し、総合的な水素供給システムの構築にもつなげる。爆発の危険など取り扱いが難しい水素に比べ、メタノールはガソリンに混ぜて燃料にできるほか、安全に貯蔵し、輸送できる利点がある。

旭化成は今年度中に他社と共同で、ドイツでの水素生成プロジェクトに参画する。水素分解能力140キロワットの設備を提供する計画だ。

同社は横浜市で実証装置を2015年11月から稼働させており、既に、安定的に水素が生成できることを確認している。