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【三井物産】インドネシアで乳製品事業に参入=地元ABCグループと業務提携

新規事業:インドネシアにおける乳製品事業

時事通信(2017/9/22)

三井物産は、インドネシア有数の食品・飲料メーカー、ABCグループとの業務提携を通じ、同国で高品質な生乳原料の生産から、加工までを一貫して行う地産地消型の乳製品製造事業に参入する。中間所得層の拡大や食のニーズ高度化、流通網の整備に伴い、さらなる消費増が見込まれる一方で、乳製品の国内自給率が24%と低く、粉乳の世界有数の輸入国となっていることが背景

三井物産は20日、西ジャワ州ガルット県で乳製品の加工工場に生乳を供給する酪農場の開所式を行った。用地面積は約72ヘクタール。インドネシア企業による酪農では最大となる1万頭規模の事業展開を目指す。

一方、加工工場は同州バンドン郊外のチチャレンカにあり、7月に建設が完了した。工場では年間1億リットルの乳飲料を生産し、国内需要の約4.5%を賄うことが目標。年内に市場での製品販売を開始する予定としている。工場と酪農場への投資額は約5000万ドル。

三井物産は今後、ABCグループとの協業を通じてインドネシアで乳製品ブランドを構築すると共に、同グループとの食品・飲料分野での取り組みを拡大していく。

ABCグループは1975年の創業。グループの売上高は約1600億円で、茶飲料・調味料・ウエハースではインドネシアトップを誇る。国内での販路は小売店約50万店舗。また、即席麺で台湾の食品・流通大手の統一企業、調味料で米食料品大手のハインツと合弁事業を行っている。

三井物産は2015年に、ABCグループの乳製品加工事業会社「ABCコーゲン・デイリー」(14年6月設立)に出資参画。同じく、ABCグループの酪農事業会社「ラッフルズ・パシフィック・ハーベスト」とも第三者割当増資による出資参画で17年3月に合意した。三井物産の出資比率はいずれも30%となっている。