新規事業:ガス販売
下野新聞(2017/9/10)
石油元売り最大手のJXTGエネルギーが、東京電力ホールディングスと組んで家庭向けガス販売に乗り出す検討をしていることが9日、分かった。東電からガスの供給を受け、2018年にも関東で展開する見通し。JXTGは電力小売りでガソリンとセットの割安プランを提供している。ガスも組み合わせてお得なメニューを打ち出し顧客獲得を目指す。
JXTGは家庭用電力で自社ブランドの「ENEOS(エネオス)でんき」などを手掛け約31万件と契約した。電気代をENEOSのクレジットカードで支払うと、給油時にガソリンや軽油を1リットル当たり1円割り引くといったサービスを実施している。
ガスでも、最大手の東京ガスに対抗できる料金やサービスのプランをつくる。東電がLPガスの日本ガスと組んで、小売りへの参入を目指す企業を支援するために設立した「東京エナジーアライアンス」を通じガスを調達する計画だ。
東電はガス市場で19年度までに、自社や提携先を合わせて100万件と契約する目標を掲げる。電力小売りで東電と競争しているJXTGは、ガス販売では東電陣営に加わる形になる。
JXTGは、東電と大型火力発電所や都市ガスの加工設備を共同で造ることも検討している。エネルギー業界ではガスや電力の自由化を機に、異業種間での協力や競争が活発になっている。