新規事業ニュース

新規事業の創出を志向する企業の動向が分かる情報をお届けします。大手企業の新規事業担当者や新規事業策定を支援するコンサルタント向けのニュースサイトです。

【JXTGエネ】航空機向け炭素繊維複合材に 参入  強度2割向上

新規事業:航空機向け炭素繊維複合材

日刊工業新聞(2017/9/12)

JXTGエネルギーは航空機向けの炭素繊維複合材料を開発した。競合他社の既存の航空機向け製品に比べ2割程度、強度があり、部品点数を減らせる。燃えにくい性質を生かし、これまで炭素繊維が用いられなかった客室内装にも利用できる。内装にも使うことで、航空機全体の重量で理論的には1割以上の軽量化も見込めるという。後発での市場参入になるが、付加価値の高い加工品の開発で需要を取り込む

JXTGエネルギーが新開発したのは炭素繊維を樹脂で固めた「プリプレグ」と呼ばれるシート状の製品。ベンゾオキサジンと呼ばれる樹脂を使うことで強度と燃えにくさを実現した。

競合他社の航空機向けプリプレグに比べて最大で2割強度を向上させたため、材料点数を減らせ、プリプレグを使う部分で2割程度の軽量化に寄与する。

材料点数を削減できるので、同製品を使うことで、製造工程の費用も低減できる。JXTGエネルギーによると競合品と比べてコストは同程度に抑えられるという。炭素繊維は熱に弱いのが弱点だった。尾翼や骨格に使われているが、客室内の利用は難しかった。素材を見直すことで、内装に使える水準にまで難燃性を高めた。

同社は20年以上、プリプレグを製造しており、人工衛星向けなどに採用実績はある。

航空機向けでは後発になるが、航空機産業では軽量化による燃費改善が一層求められている。プリプレグの樹脂材料を見直し、軽量化を武器に顧客の取り込みにつなげる。