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【シミズ】車向け塗料参入 内装用UV硬化型を提案

新規事業:車用塗料事業

日刊工業新聞(2017/9/20)

シミズ(大阪市東成区、清水治社長)は、自動車の内装用塗料で車部品市場に参入する。独自開発した紫外線(UV)硬化型の電着塗料を内装部品を手がける車部品メーカーに提案する。高い耐食性などを訴求し、ドアトリムなどの樹脂製部品やエアコンの吹き出し口部品などでの採用を見込む。車内装用塗料の拡販などにより、2017年12月期売上高を前期比10%増の約11億円に引き上げる。

開発したUV電着塗料「エレコート」は、性質の異なる複数のアクリル樹脂を配合して分子間の架橋密度を改良。塗料の弾性と剛性のバランスを最適化した。マイナス30度Cとプラス70度Cの温度変化を1時間おきに20回繰り返す冷熱サイクルでは、エレコートを施したサンプル品で劣化などの異常が起きないことを確認した。

UV硬化型の電着塗料のため、樹脂メッキのほか、ダイカスト部品にも適用可能。塩化ナトリウムなどを使ってさびの程度を調べるキャス試験では、240時間の耐久試験を実施し、腐食性能を確かめた。メッキ光沢を生かした塗装やつや消し塗装にも対応できるとする。

シミズは電子部品用の電着型フォトレジストや装飾用の合金メッキ事業などが主力。近年では経営の第2の柱を育てるため、14年には商用車の排気系バルブ部品の耐熱塗装に乗り出すなど、車関連分野に経営資源を傾斜している。