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【イオン】和牛繁殖に参入

新規事業:食用和牛の繁殖事業

日本経済新聞(2017/9/19)

イオンは食用和牛の繁殖事業に参入する。傘下のダイエーが子牛の生産農家の経営を継承し、2020年までに繁殖から手掛けた和牛を年500頭飼育する。牛肉の需要は底堅い一方で、国内の繁殖農家は減り続けている。小売業が自ら繁殖を手掛けることで、和牛の安定供給を支える

ダイエーがこのほど鹿児島県の繁殖農家の事業を継承した。大手小売りが国産牛を繁殖するのは初めて。飼育する母牛は約40頭で、既に種付けを始めている。2年半後に子牛を産む繁殖から肥育までを一貫して手掛けた和牛を出荷する。

同社は鹿児島県の直営農場で和牛の独自ブランド「さつま姫牛」にする牛を飼育している。自前繁殖の和牛を加え、同ブランド向け牛の飼育頭数を20年までに約5500頭と現在から2割増やす。

和牛の繁殖農家は担い手不足などを受け、この10年で約4割減っている。全国に販路を持つ大手小売りが繁殖に参入することで、畜産業の安定にもつながりそうだ。

ダイエーは子牛を自社調達することで、市場で購入するより3割以上費用の削減を見込む。さつま姫牛の価格は現在、ロースステーキ用で100グラム1100円程度。生産コストの抑制で、値ごろ感のある価格で販売できるとみている。